「給料明細を見ても、何がどれだけ引かれているかわからない…」
新社会人のほとんどが税金の仕組みを知らないまま社会に出ます。でも税金の基本を知るだけで、合法的に手取りを増やすことができます。
給与明細の税金の見方
毎月の給与から引かれている主な項目はこちらです。
| 項目 | 種類 | 目安(月収20万円の場合) |
|---|---|---|
| 所得税 | 税金 | 約5,000〜8,000円 |
| 住民税 | 税金 | 約8,000〜10,000円(2年目から) |
| 健康保険料 | 社会保険 | 約10,000円 |
| 厚生年金保険料 | 社会保険 | 約18,000円 |
| 雇用保険料 | 社会保険 | 約600円 |
月収20万円でも、手取りは約16〜17万円になります。残りは税金・社会保険料として差し引かれています。
所得税とは
所得税は1年間の収入に応じて課税される国税です。給与から毎月「源泉徴収」という形で先払いされ、年末調整で過不足を精算します。
| 課税所得 | 税率 |
|---|---|
| 195万円以下 | 5% |
| 195万〜330万円 | 10% |
| 330万〜695万円 | 20% |
| 695万〜900万円 | 23% |
新社会人の多くは税率5〜10%の範囲に収まります。
住民税とは(2年目に注意!)
住民税は前年の所得に対して課税される地方税です。新社会人1年目は前年の所得がないため住民税がかかりませんが、2年目から突然引かれ始めます。
| 1年目 | 2年目以降 | |
|---|---|---|
| 住民税 | 0円 | 月8,000〜15,000円 |
| 手取りへの影響 | なし | 月1万円前後減る |
2年目に「急に手取りが減った!」と感じるのはこれが原因です。あらかじめ把握して備えておきましょう。住民税を抑えたいなら、ふるさと納税やiDeCoなどの控除を活用するのが正しいアプローチです。
社会保険料の内訳
社会保険料は税金ではありませんが、給与から毎月引かれます。
| 種類 | 内容 | 負担割合 |
|---|---|---|
| 健康保険 | 病院の医療費を3割負担にしてくれる | 会社と折半 |
| 厚生年金 | 老後・障害・遺族への年金 | 会社と折半 |
| 雇用保険 | 失業時の給付 | 労働者が約0.3% |
| 介護保険 | 40歳から徴収開始 | 会社と折半 |
会社と折半のため、実際には給与の約30%が社会保険料として徴収されています(会社負担分含む)。
4・5・6月の残業を控えると社会保険料が下がる
健康保険・厚生年金の保険料は、毎年4月・5月・6月の3ヶ月の平均収入をもとに決定され、9月から翌年8月まで適用されます(定時決定)。
つまり、4〜6月に残業が多いと、9月以降の社会保険料が上がります。逆に4〜6月の残業を控えれば、社会保険料を抑えることができます。
| 4〜6月の月平均収入 | 標準報酬月額 | 月の社会保険料目安 |
|---|---|---|
| 20万円 | 200,000円 | 約29,000円 |
| 25万円 | 250,000円 | 約36,000円 |
| 30万円 | 300,000円 | 約43,000円 |
ただし、残業を減らすと手取り収入も減るため、社会保険料のためだけに残業を控えるのは本末転倒です。あくまで「知識として知っておく」程度にとどめておきましょう。
手取りが増える控除の使い方
控除とは、税金の計算基準となる所得を減らせる仕組みです。控除を使うほど課税所得が下がり、税金が少なくなります。
① ふるさと納税
自分の選んだ自治体に寄付をすると、寄付額から2,000円を引いた金額が所得税・住民税から控除されます。さらに返礼品(お米・肉・日用品など)がもらえるのでお得です。
| 年収 | ふるさと納税の目安上限額 |
|---|---|
| 300万円 | 約28,000円 |
| 350万円 | 約34,000円 |
| 400万円 | 約42,000円 |
| 450万円 | 約52,000円 |
6自治体以内ならワンストップ特例制度を使えば確定申告不要で控除が受けられます。
② 医療費控除
1年間に支払った医療費が10万円を超えた場合、超えた分が所得から控除されます。病院代・薬代・交通費も対象です。確定申告が必要です。
③ 生命保険料控除
生命保険・医療保険・個人年金保険などの保険料を支払っている場合、年末調整で申告すると控除が受けられます。保険会社から届く控除証明書を年末調整に添付するだけでOKです。
| 控除の種類 | 最大控除額(所得税) |
|---|---|
| 一般生命保険料控除 | 40,000円 |
| 介護医療保険料控除 | 40,000円 |
| 個人年金保険料控除 | 40,000円 |
④ iDeCo(個人型確定拠出年金)
iDeCoは老後のための積立制度で、掛け金の全額が所得控除になります。節税しながら老後資金を積み立てられる非常にお得な制度です。
| 内容 | |
|---|---|
| 掛け金 | 月5,000円〜23,000円(会社員の場合) |
| 節税効果 | 掛け金全額が所得控除 |
| 引き出し | 60歳まで引き出し不可 |
| NISAとの違い | 節税効果はiDeCoが上。ただし60歳まで使えない |
年末調整でやること
毎年11〜12月に会社から「年末調整書類」が配布されます。以下を申告すると税金が戻ってくる可能性があります。
- 生命保険料控除証明書(保険会社から郵送されてくる)
- 扶養控除等申告書(家族を扶養している場合)
- 住宅ローン控除(2年目以降は年末調整で対応可)
ふるさと納税(6自治体以内)のワンストップ特例も忘れずに申請しましょう。
まとめ
| 控除の種類 | 手続き方法 | 節税効果 |
|---|---|---|
| ふるさと納税 | ワンストップ特例 or 確定申告 | 寄付額−2,000円分が控除 |
| 医療費控除 | 確定申告 | 10万円超の医療費が控除 |
| 生命保険料控除 | 年末調整 | 最大12万円が控除 |
| iDeCo | 年末調整 | 掛け金全額が控除 |
税金の知識は知っているだけで手取りが変わります。まずはふるさと納税と年末調整の生命保険料控除から始めてみてください。


