20代のうちから知っておくべきお金の知識【税金の基本から節税まで】

税金・節税

「給与明細を見ても、何がいくら引かれているかよくわからない…」

20代のほとんどが税金の仕組みをきちんと理解しないまま働き始めます。
でも給与明細の読み方を知るだけで、手取りが増える可能性もあります。

この記事では、20代が知っておくべき税金・節税の知識を7つに絞って解説します。

1. 給与明細の読み方

毎月の給与から引かれている主な項目はこちらです。

項目 種類 月収25万円の場合の目安
所得税 税金(国) 約5,000〜8,000円
住民税 税金(地方) 約8,000〜12,000円(2年目から)
健康保険料 社会保険 約12,000円
厚生年金保険料 社会保険 約22,000円
雇用保険料 社会保険 約750円

月収25万円でも、手取りは約19〜20万円になります。残りの約5万円は税金・社会保険料として差し引かれています。

給与明細は大きく「支給」「控除」「差引支給額(手取り)」の3つに分かれています。「控除」の欄に書かれているものが、毎月引かれている税金・保険料の一覧です。

2. 所得税の仕組み

所得税は1年間の収入に応じて課税される国税です。

毎月の給与から「源泉徴収」という形で先払いされており、年末に1年間の正確な税額を計算して過不足を精算するのが年末調整です。払いすぎていた分は年末に還付されます。

課税所得 税率
195万円以下 5%
195万〜330万円 10%
330万〜695万円 20%
695万〜900万円 23%

所得税はどうやって計算されるか(年収400万円の例)

① まず給与所得を求める

項目 金額
年収(給与収入) 4,000,000円
給与所得控除(※) − 1,240,000円
給与所得 2,760,000円

※ 給与所得控除とは:会社員が給与から自動的に差し引かれる控除。経費のような役割で、収入が多いほど控除額も大きくなります。年収400万円の場合は「400万円×20%+44万円=124万円」が控除されます。

② 所得税の計算

項目 金額
給与所得 2,760,000円
基礎控除(所得税) − 480,000円
課税所得(所得税用) 2,280,000円

③ 課税所得から所得税額を求める

課税所得2,280,000円は「195万円超〜330万円以下」の区分をまたぐため、以下のように分けて計算されます。

課税所得の範囲 税率 税額
195万円以下の部分(1,950,000円) 5% 97,500円
195万円超の部分(330,000円) 10% 33,000円
所得税合計 130,500円

3. 住民税の仕組み(2年目に手取りが減る理由)

住民税は前年の所得に対して課税される地方税です。ここが所得税と大きく違うポイントです。

1年目 2年目以降
住民税 0円 月8,000〜15,000円
手取りへの影響 なし 月1万円前後減る

新社会人1年目は前年の所得がないため住民税がかかりません。しかし2年目の6月から突然引かれ始めます。「急に手取りが減った!」と感じるのはこれが原因です。2年目に備えて、あらかじめ毎月1万円程度の支出を減らす準備をしておきましょう。

住民税はどうやって計算されるか(年収400万円の例)

① まず給与所得を求める

項目 金額
年収(給与収入) 4,000,000円
給与所得控除(※) − 1,240,000円
給与所得 2,760,000円

※ 給与所得控除とは:会社員が給与から自動的に差し引かれる控除。経費のような役割で、収入が多いほど控除額も大きくなります。年収400万円の場合は「400万円×20%+44万円=124万円」が控除されます。

② 住民税の計算

項目 金額
給与所得 2,760,000円
基礎控除(住民税) − 430,000円
課税所得(住民税用) 2,330,000円

③ 課税所得から住民税額を求める

住民税は所得税と異なり、課税所得に対して一律10%が課税されます。

課税所得 税率 税額
2,330,000円 10% 233,000円

4. 社会保険料の内訳

社会保険料は税金ではありませんが、給与から毎月引かれます。実は所得税・住民税よりも社会保険料のほうが負担が大きいことがほとんどです。

種類 内容 負担割合
健康保険 医療費を3割負担にしてくれる 会社と折半
厚生年金 老後・障害・遺族への年金 会社と折半
雇用保険 失業時の給付 労働者が約0.3%
介護保険 40歳から徴収開始 会社と折半

会社と折半のため、実際には給与の約15%が社会保険料として天引きされています。

4・5・6月の残業に注意

健康保険・厚生年金の保険料は、毎年4・5・6月の3ヶ月の平均収入をもとに決定され、9月から翌年8月まで適用されます。4〜6月に残業が多いと、9月以降の社会保険料が上がります。

4〜6月の月平均収入 月の社会保険料目安
25万円 約34,000円
30万円 約41,000円
35万円 約48,000円

次の項目から、節税の内容となります。

5. ふるさと納税で住民税を減らす

ふるさと納税は「自治体への寄付で税金が控除され、さらに返礼品がもらえる」制度です。会社員でも手軽にできて、やらないと純粋に損な制度です。

年収 目安の上限額 返礼品の例
300万円 約28,000円 お米・日用品など
400万円 約42,000円 牛肉・魚介など
500万円 約61,000円 家電・旅行券なども

給与明細への反映イメージ(年収400万円・40,000円控除の場合)

ふるさと納税なし ふるさと納税あり
年間住民税 200,000円 160,000円
月の天引き額(6月〜) 約16,667円 約13,333円
給与明細の住民税欄 16,667円 13,333円(約3,300円減)

住民税が0円になるわけではなく、毎月の天引き額が少し減る形です。パッと見て気づきにくいですが、年間で約40,000円分しっかり安くなっています。

6自治体以内ならワンストップ特例制度が使えます。寄付後に自治体から届く申請書に記入して返送するだけで、翌年6月から住民税が減額されます。勤め先への連絡や確定申告は不要です。やり方はふるさと納税のやり方【2026年版・初心者向け完全ガイド】で詳しく解説しています。

6. iDeCoで所得税・住民税を減らす

iDeCo(個人型確定拠出年金)は老後のための積立をしながら、掛け金の全額が所得控除になる制度です。

内容
掛け金 月5,000円〜23,000円(会社員の場合)
節税効果 掛け金全額が所得控除(所得税+住民税が下がる)
引き出し 60歳まで引き出し不可

節税効果の具体例(月10,000円積立・年収400万円の場合)

① まず給与所得を求める

項目 金額
年収(給与収入) 4,000,000円
給与所得控除(※) − 1,240,000円
給与所得 2,760,000円

※ 給与所得控除:年収400万円の場合、400万円×20%+44万円=124万円

② 所得税の計算

iDeCoなし iDeCoあり
給与所得 2,760,000円 2,760,000円
iDeCo控除 − 0円 − 120,000円
基礎控除(所得税) − 480,000円 − 480,000円
課税所得(所得税用) 2,280,000円 2,160,000円
所得税額(累進課税) 130,500円 118,500円

③ 住民税の計算

iDeCoなし iDeCoあり
給与所得 2,760,000円 2,760,000円
iDeCo控除 − 0円 − 120,000円
基礎控除(住民税) − 430,000円 − 430,000円
課税所得(住民税用) 2,330,000円 2,210,000円
住民税額(一律10%) 233,000円 221,000円

④ 節税効果のまとめ

iDeCoなし iDeCoあり 差額
所得税 130,500円 118,500円 ▲12,000円
住民税 233,000円 221,000円 ▲12,000円

上記のようにiDeCoあり・なしでは、所得税・住民税の金額が変わることがわかります。
ただしiDecoは60歳まで引き出せない点は必ず理解した上で始めましょう。

7. 年末調整でやること・知らないと損する控除

毎年11〜12月に会社から年末調整の書類への記入依頼があります。控除の申告漏れがあると本来より多く税金を払うことになるので、提出前に確認する習慣をつけましょう。

控除の種類 対象者 手続き方法
生命保険料控除 生命・医療・個人年金保険に加入している人 保険会社から届く控除証明書を添付
地震保険料控除 地震保険に加入している人 控除証明書を添付
扶養控除 配偶者・子供・親を養っている人 扶養控除等申告書に記入
住宅ローン控除 住宅ローンを組んでいる人(ローン開始2年目以降) 残高証明書を添付

年末調整の書類は「面倒だから」と適当に出すと損をします。保険の控除証明書は必ず添付し、扶養の状況も毎年確認しましょう。

まとめ

知っておくべきこと なぜ重要か
給与明細の読み方 何がいくら引かれているか把握できる
所得税の仕組み 年末調整で還付を受けられる
住民税の仕組み 2年目の手取り減少に備えられる
社会保険料の内訳 4〜6月の残業に注意できる
ふるさと納税 実質2,000円で住民税を減らせる
iDeCo 積立しながら所得税・住民税を減らせる
年末調整の控除 申告漏れなく手取りを最大化できる

税金の知識は知っているだけで手取りが変わります。まずは給与明細をじっくり読むことと、ふるさと納税・年末調整の控除から始めてみてください。(IDeCoは余裕があれば実践してみてください)

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