複利とは?単利との違いと72の法則をシミュレーション解説

投資・資産形成

「複利は人類最大の発明」と言われるほど、長期投資で資産を増やす上で重要な仕組みです。アインシュタインが残したとされるこの言葉は、複利の威力を端的に表しています。

この記事では、5年・20年シミュレーションで複利の力を可視化します。複利を活かせる金融商品と、逆に注意すべき「借金の複利」まで解説します。

単利と複利の違い|計算式と仕組み

単利と複利は、利息の計算方法が違います。

●単利|元本のみに利息がつく

毎年、最初に預けた元本に対してだけ利息が計算されます。利息を受け取っても、翌年の元本は変わりません。

たとえば100万円を年利5%で運用すると、毎年5万円の利息がつきます。10年運用しても、毎年の利息は5万円のままです。

●複利|元本+利息に利息がつく

得た利息を元本に組み入れて、翌年は「元本+前年の利息」全体に対して利息が計算されます。雪だるま式に増えていく仕組みです。

同じ100万円・年利5%なら、1年目は5万円、2年目は5万2,500円、3年目は5万5,125円。利息額が毎年増えていきます。

●計算式の違い

単利は「元本×利率×年数」で計算します。一方、複利は「元本×(1+利率)の年数乗」で計算します。

最初は同じでも、年数が増えるほど計算式の差が結果に大きく出てきます。

5年運用シミュレーション|単利 vs 複利

100万円を年利5%で5年運用した場合の単利と複利の差を比較します。

経過年数 単利(元本+利息) 複利(元本+利息) 差額
1年目 105万円 105万円 0円
2年目 110万円 110万2,500円 +2,500円
3年目 115万円 115万7,625円 +7,625円
5年目 125万円 約127万6,000円 +2万6,000円
10年目 150万円 約162万9,000円 +12万9,000円
20年目 200万円 約265万3,000円 +65万3,000円
30年目 250万円 約432万2,000円 +182万2,000円

5年では2.6万円程度の差ですが、20年では約65万円、30年では約182万円もの差がつきます。期間が長くなるほど複利の効果は加速度的に大きくなります。

時間が複利の効果を最大化する理由

複利は時間を味方につけることで真価を発揮します。同じ利率でも、運用期間が10年と30年では結果が大きく変わります。

●早く始めるほど有利

たとえば25歳から月3万円・年利5%で積み立てた場合、65歳時点で約4,584万円になります。これを35歳から始めると約2,498万円。

スタートが10年遅れるだけで約2,000万円もの差が生まれます。

積立額や利率を増やすより、「早く始めて長く続ける」ことが資産形成の最大の武器になります。

●少額でも始めることが大切

「お金が貯まってから投資を始めよう」と考える方も多いですが、複利の観点では逆効果です。少額でも先に始めて時間を稼ぐ方が、結果的に増えるケースが多くなります。

月100円や1,000円からでも、まずは始めるメリットが大きいです。

●運用益を引き出さないことが重要

複利を最大化するには、得た利益を引き出さずに運用に回し続けることが必要です。途中で利益を取り崩すと、その分の元本が減って次の年の利息計算ベースが小さくなります。

「使わずに置いておく」が複利運用のコツです。たとえば30歳から65歳までの35年間運用すれば、年利5%でも資産は約5.5倍に成長します。

早く始めて長く保有することが、最大の節約術ともいえます。

72の法則|資産が2倍になる年数の出し方

複利運用で資産が2倍になるまでにかかる年数は、簡単な計算で求められます。

●計算式|72÷年利=2倍になる年数

「72の法則」と呼ばれる近似式です。複雑な計算をせず、ざっくり資産がいつ2倍になるかを把握できます。

年利 2倍になる年数 主な該当商品
0.1% 約720年 定期預金
1% 約72年 個人向け国債
3% 約24年 債券中心の運用
5% 約14年 バランス型ファンド
7% 約10年 世界株式インデックス(長期実績)

定期預金で2倍にするには720年かかる計算ですが、年利5%なら14年で達成できます。複利の力で時間を「お金」に変えていけるのが投資の本質です。

●目標金額から逆算もできる

「老後までに○○万円欲しい」と決まっている場合、目標額と現在資産の関係から必要な年利を逆算できます。

たとえば現在500万円を65歳までに1,000万円にしたいとします。35年で2倍=72÷35=約2%の年利が必要、と概算できます。

複利を活かせる金融商品の選び方

複利の効果を最大化するには、商品選びと制度選びの両方が大切です。

●投資信託(分配金再投資型)

毎月の運用益を自動的に元本に組み入れて再投資する「再投資型」を選ぶと、複利効果がそのまま積み上がります。分配金を受け取る「受取型」は単利に近くなるため、長期運用なら再投資型が有利です。

●新NISA

運用益が非課税になる新NISAは、複利効果が最も活きる制度です。通常は運用益の約20%が税金で引かれますが、NISA口座内では非課税のため、利益をまるごと再投資に回せます。

●iDeCo

掛金が全額所得控除になる上に、運用益も非課税で複利運用できます。60歳まで引き出せない代わりに、長期複利を強制的に活かせる制度です。

●定期預金は単利型が多いので注意

銀行の定期預金は単利型と複利型がありますが、店頭定期預金は単利が主流です。長期で預けるなら複利型を選ぶ・もしくは投資信託に切り替える方が、複利の恩恵を受けやすくなります。

複利の効果は1日でも早く始めるほど大きくなります。

楽天証券のNISA口座なら月100円から積立できるので、まずは少額からスタートして時間を味方につけるとよいでしょう。

複利の落とし穴|借金の利息も複利で増える

複利は資産形成では強力な味方ですが、借金では強力な敵になります。

●リボ払い・キャッシングの怖さ

クレジットカードのリボ払いや消費者金融のキャッシングは年利15〜18%で運用されます。借入残高に対して複利で利息がつくため、返済が長引くほど雪だるま式に負担が膨らみます。

たとえば50万円を年利15%でリボ払いした場合、毎月1万円ずつ返済しても完済まで約7年かかります。利息総額は約34万円にもなり、元本の7割近くを利息で払うことになる計算です。

●借金があるなら投資より返済を先に

複利は時間が長いほど効果が大きいという性質は、資産でも借金でも同じです。借金がある場合は、投資より先に返済を優先する方が、家計全体ではプラスになるケースが多くなります。

「投資で年5%増やすより、年15%の借金を返済する方が得」というのが、複利の観点で見た正解です。

この記事のまとめ

  • 単利は元本のみ・複利は元本+利息に利息がつく仕組み
  • 100万円・年利5%・20年運用で単利200万 vs 複利265万と65万円の差・30年では182万円差
  • 「72÷年利」で資産が2倍になる年数がわかる(年利5%なら約14年)
  • 新NISA・iDeCo・再投資型投資信託で複利効果を最大化
  • 少額でも早く始めるのが最大の武器・運用益を引き出さないこと
  • リボ払い・キャッシングは借金が複利で膨らむため、投資より返済を優先

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