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「複利は人類最大の発明」と言われるほど、長期投資で資産を増やす上で重要な仕組みです。アインシュタインが残したとされるこの言葉は、複利の威力を端的に表しています。
この記事では、5年・20年シミュレーションで複利の力を可視化します。複利を活かせる金融商品と、逆に注意すべき「借金の複利」まで解説します。
単利と複利の違い|計算式と仕組み
単利と複利は、利息の計算方法が違います。
●単利|元本のみに利息がつく
毎年、最初に預けた元本に対してだけ利息が計算されます。利息を受け取っても、翌年の元本は変わりません。
たとえば100万円を年利5%で運用すると、毎年5万円の利息がつきます。10年運用しても、毎年の利息は5万円のままです。
●複利|元本+利息に利息がつく
得た利息を元本に組み入れて、翌年は「元本+前年の利息」全体に対して利息が計算されます。雪だるま式に増えていく仕組みです。
同じ100万円・年利5%なら、1年目は5万円、2年目は5万2,500円、3年目は5万5,125円。利息額が毎年増えていきます。
●計算式の違い
単利は「元本×利率×年数」で計算します。一方、複利は「元本×(1+利率)の年数乗」で計算します。
最初は同じでも、年数が増えるほど計算式の差が結果に大きく出てきます。
5年運用シミュレーション|単利 vs 複利
100万円を年利5%で5年運用した場合の単利と複利の差を比較します。
| 経過年数 | 単利(元本+利息) | 複利(元本+利息) | 差額 |
|---|---|---|---|
| 1年目 | 105万円 | 105万円 | 0円 |
| 2年目 | 110万円 | 110万2,500円 | +2,500円 |
| 3年目 | 115万円 | 115万7,625円 | +7,625円 |
| 5年目 | 125万円 | 約127万6,000円 | +2万6,000円 |
| 10年目 | 150万円 | 約162万9,000円 | +12万9,000円 |
| 20年目 | 200万円 | 約265万3,000円 | +65万3,000円 |
| 30年目 | 250万円 | 約432万2,000円 | +182万2,000円 |
5年では2.6万円程度の差ですが、20年では約65万円、30年では約182万円もの差がつきます。期間が長くなるほど複利の効果は加速度的に大きくなります。
時間が複利の効果を最大化する理由
複利は時間を味方につけることで真価を発揮します。同じ利率でも、運用期間が10年と30年では結果が大きく変わります。
●早く始めるほど有利
たとえば25歳から月3万円・年利5%で積み立てた場合、65歳時点で約4,584万円になります。これを35歳から始めると約2,498万円。
スタートが10年遅れるだけで約2,000万円もの差が生まれます。
積立額や利率を増やすより、「早く始めて長く続ける」ことが資産形成の最大の武器になります。
●少額でも始めることが大切
「お金が貯まってから投資を始めよう」と考える方も多いですが、複利の観点では逆効果です。少額でも先に始めて時間を稼ぐ方が、結果的に増えるケースが多くなります。
月100円や1,000円からでも、まずは始めるメリットが大きいです。
●運用益を引き出さないことが重要
複利を最大化するには、得た利益を引き出さずに運用に回し続けることが必要です。途中で利益を取り崩すと、その分の元本が減って次の年の利息計算ベースが小さくなります。
「使わずに置いておく」が複利運用のコツです。たとえば30歳から65歳までの35年間運用すれば、年利5%でも資産は約5.5倍に成長します。
早く始めて長く保有することが、最大の節約術ともいえます。
72の法則|資産が2倍になる年数の出し方
複利運用で資産が2倍になるまでにかかる年数は、簡単な計算で求められます。
●計算式|72÷年利=2倍になる年数
「72の法則」と呼ばれる近似式です。複雑な計算をせず、ざっくり資産がいつ2倍になるかを把握できます。
| 年利 | 2倍になる年数 | 主な該当商品 |
|---|---|---|
| 0.1% | 約720年 | 定期預金 |
| 1% | 約72年 | 個人向け国債 |
| 3% | 約24年 | 債券中心の運用 |
| 5% | 約14年 | バランス型ファンド |
| 7% | 約10年 | 世界株式インデックス(長期実績) |
定期預金で2倍にするには720年かかる計算ですが、年利5%なら14年で達成できます。複利の力で時間を「お金」に変えていけるのが投資の本質です。
●目標金額から逆算もできる
「老後までに○○万円欲しい」と決まっている場合、目標額と現在資産の関係から必要な年利を逆算できます。
たとえば現在500万円を65歳までに1,000万円にしたいとします。35年で2倍=72÷35=約2%の年利が必要、と概算できます。
複利を活かせる金融商品の選び方
複利の効果を最大化するには、商品選びと制度選びの両方が大切です。
●投資信託(分配金再投資型)
毎月の運用益を自動的に元本に組み入れて再投資する「再投資型」を選ぶと、複利効果がそのまま積み上がります。分配金を受け取る「受取型」は単利に近くなるため、長期運用なら再投資型が有利です。
●新NISA
運用益が非課税になる新NISAは、複利効果が最も活きる制度です。通常は運用益の約20%が税金で引かれますが、NISA口座内では非課税のため、利益をまるごと再投資に回せます。
●iDeCo
掛金が全額所得控除になる上に、運用益も非課税で複利運用できます。60歳まで引き出せない代わりに、長期複利を強制的に活かせる制度です。
●定期預金は単利型が多いので注意
銀行の定期預金は単利型と複利型がありますが、店頭定期預金は単利が主流です。長期で預けるなら複利型を選ぶ・もしくは投資信託に切り替える方が、複利の恩恵を受けやすくなります。
複利の効果は1日でも早く始めるほど大きくなります。
楽天証券のNISA口座なら月100円から積立できるので、まずは少額からスタートして時間を味方につけるとよいでしょう。
複利の落とし穴|借金の利息も複利で増える
複利は資産形成では強力な味方ですが、借金では強力な敵になります。
●リボ払い・キャッシングの怖さ
クレジットカードのリボ払いや消費者金融のキャッシングは年利15〜18%で運用されます。借入残高に対して複利で利息がつくため、返済が長引くほど雪だるま式に負担が膨らみます。
たとえば50万円を年利15%でリボ払いした場合、毎月1万円ずつ返済しても完済まで約7年かかります。利息総額は約34万円にもなり、元本の7割近くを利息で払うことになる計算です。
●借金があるなら投資より返済を先に
複利は時間が長いほど効果が大きいという性質は、資産でも借金でも同じです。借金がある場合は、投資より先に返済を優先する方が、家計全体ではプラスになるケースが多くなります。
「投資で年5%増やすより、年15%の借金を返済する方が得」というのが、複利の観点で見た正解です。
- 単利は元本のみ・複利は元本+利息に利息がつく仕組み
- 100万円・年利5%・20年運用で単利200万 vs 複利265万と65万円の差・30年では182万円差
- 「72÷年利」で資産が2倍になる年数がわかる(年利5%なら約14年)
- 新NISA・iDeCo・再投資型投資信託で複利効果を最大化
- 少額でも早く始めるのが最大の武器・運用益を引き出さないこと
- リボ払い・キャッシングは借金が複利で膨らむため、投資より返済を優先
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