保険の見直しガイド【本当に必要な保険はどれ?】

年金・保険

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「毎月の保険料が高いけど、本当にこれだけ必要なの?」と感じている方も多いのではないでしょうか。

2人以上世帯の年間保険料は平均35.3万円。月に換算すると約3万円です。

しかし、日本には充実した公的保険制度があり、民間保険で備える範囲は限られています。

公的保険でカバーされる範囲を知る

保険を見直す前に、まず公的保険でどこまでカバーされるかを知ることが重要です。

●医療費の自己負担は原則3割

日本の公的医療保険制度では、医療費の自己負担は原則3割です(70歳以上は2割、75歳以上は1割)。残りの7割は保険者が負担します。

●高額療養費制度

1か月の医療費が高額になった場合でも、自己負担には上限があります。上限額は年齢と所得に応じて設定されています。

年収の目安 自己負担上限額(月額)
住民税非課税世帯 35,400円
〜約370万円 57,600円
約370万〜770万円 80,100円+(医療費−267,000円)×1%
約770万〜1,160万円 167,400円+(医療費−558,000円)×1%
約1,160万円〜 252,600円+(医療費−842,000円)×1%

たとえば年収500万円の方が100万円の医療費がかかった場合でも、自己負担は約8.7万円に抑えられます。

さらに、過去12か月に3回以上該当した場合は4回目以降の上限額がさらに下がります。

つまり、ある程度の貯蓄があれば、まとまった医療費がかかっても対応できるため、手厚い医療保険が必ずしも必要とは限りません。

※高額療養費制度は、2026年8月以降に自己負担上限額の引き上げが予定されています。

引き上げ幅や時期は見直しが続いているため、最新の内容は加入先や公式情報で確認しておくと安心です。

●傷病手当金(会社員の場合)

病気やケガで働けなくなった場合、会社員は傷病手当金を受け取れます。

支給額
給与の約3分の2が支給されます。

支給期間
支給開始日から通算して最長1年6か月間です。

●出産育児一時金

出産時には、公的医療保険から1児につき原則50万円が支給されます。

●遺族年金

被保険者が亡くなった場合、遺族に遺族年金が支給されます。

遺族基礎年金
子のある配偶者が受給する場合、年額約83.2万円に子の加算(1・2人目は各約23.9万円/年)が加わります。

民間保険の種類と特徴

民間保険にはいくつかの種類があります。それぞれの特徴を理解したうえで、必要なものだけを選びましょう。

種類 特徴 解約時の返戻金
定期保険 一定期間の死亡保障。保険料が安い 掛け捨て
終身保険 一生涯の死亡保障。解約返戻金あり 解約返戻金あり
医療保険 入院・手術の費用を保障 掛け捨て
がん保険 がんと診断された場合に給付金を支給 掛け捨て

保険料を抑えたいなら、保障がシンプルで割安な掛け捨て型から検討するのがおすすめです。

貯蓄性のある終身保険は、保障と貯蓄を分けて考えてから選ぶと失敗しにくくなります。

損害保険(自動車・火災・個人賠償)の見極め方

生命保険のほかに、モノや賠償に備える損害保険もあります。当てはまる状況の人は備えておくと安心です。

●自動車保険|車があるなら備えておきたい

自賠責保険だけでは、対物賠償・自分のケガ・自分の車の修理はカバーされません。任意保険の対人対物賠償は「無制限」が基本です。

事故で数千万円〜億単位の賠償が発生するケースもあるため、ここは節約しすぎない方が安心です。

●火災保険|住まいがある人向け

賃貸でも家財保険として加入が条件になっていることが多いです。地震保険は火災保険とセットでしか加入できません。

地震・津波・噴火による損害は火災保険ではカバーされないため、地震が心配な地域では地震保険も検討します。

●個人賠償責任保険|月数百円で家族全員カバー

自転車事故で他人にケガをさせた、子どもが他人の物を壊したなど、日常で起こりうる損害賠償をカバーします。

月数百円で家族全員が対象になり、火災保険や自動車保険の特約として付けるのが一般的です。

ライフステージ別・必要な保険

必要な保険はライフステージによって大きく変わります。

●独身の場合

死亡保険は基本的に不要
扶養家族がいなければ、高額な死亡保障は必要ありません。葬儀費用が心配な場合は、少額の定期保険や預貯金で備える方法もあります。

医療保険は高額療養費制度を踏まえて検討
入院しても自己負担には上限があるため、貯蓄が一定額ある方は医療保険がなくても対応できるケースが多いです。

就業不能保険は検討の余地あり
会社員は傷病手当金がありますが、フリーランスや自営業の方は収入が途絶えるリスクがあるため、就業不能保険を検討する価値があります。

●既婚(子なし)の場合

配偶者の収入状況に応じて判断
共働きで双方に十分な収入がある場合は、独身時と大きく変わりません。片方の収入に依存している場合は、最低限の死亡保障を検討しましょう。

保障額は、残された側が生活を立て直すまでの期間を目安に考えると決めやすくなります。

●子育て世帯の場合

死亡保険の優先度が高い
子どもが経済的に自立するまでの生活費と教育費をカバーできる保障が必要です。遺族年金の受給額を確認したうえで、不足分を死亡保険で補いましょう。

必要保障額の考え方
必要な資金(遺族の生活費+教育費+住居費+葬儀費用)から、公的保障(遺族年金+死亡退職金+預貯金)を差し引いた不足分が、民間保険で備える金額です。

計算例
もしもの時に必要な額が5,000万円、預貯金500万円・遺族年金2,000万円・配偶者の収入1,500万円を見込めるなら、不足分は5,000万−(500+2,000+1,500)=1,000万円です。

この金額が死亡保険で備える目安になります。

保険を見直す3つのポイント

●ポイント1:公的保険でカバーできる部分を把握する

高額療養費制度・傷病手当金・遺族年金など、公的保険でカバーされる範囲を理解したうえで、それでも不足する部分だけを民間保険で補うのが合理的です。

●ポイント2:ライフステージの変化に合わせて見直す

結婚・出産・子どもの独立など、ライフステージが変わるタイミングで保険を見直しましょう。子どもが独立した後は、死亡保障を減らして保険料を抑えることができます。

●ポイント3:保険と貯蓄を分けて考える

「保険で貯蓄もしたい」と終身保険に加入するケースがありますが、保障と貯蓄は分けて考えた方が効率的な場合があります。

保障は掛け捨ての定期保険で安く確保し、貯蓄はNISAやiDeCoで運用するという選択肢もあります。

保険料を抑えた分を投資に回せば、いざというときの保障と将来の資産づくりを同時に進められます。

保険料を払いすぎていないかチェック

保険は気づかないうちに払いすぎていることがあります。次の4点をチェックしてみましょう。

●貯蓄型保険に入りすぎていないか

「貯蓄もできる」とすすめられて終身保険や貯蓄型に多く加入していると、保険料が高くなりがちです。

毎月の保険料が家計を圧迫していないか、貯蓄型の比重が大きくなっていないかを一度確認してみましょう。

●使っていない特約が付いていないか

通院特約や先進医療特約など、加入時にすすめられるまま付けた特約が残っていないか確認しましょう。使わない特約を外すだけで、保険料を下げられます。

●同じ保障が重複していないか

医療保険を複数契約していたり、勤務先の団体保険と内容が重なっていたりすることがあります。重複を整理すれば、保障を減らさずに保険料だけを下げられます。

●ネット保険や共済も比べる

同じような保障でも、対面型よりネット保険や共済の方が保険料が安いことがあります。見直すときは1社だけで決めず、複数を比べるとムダな出費を防げます。

契約時に知っておきたい注意点

●告知義務|健康状態を正確に伝える

過去の病歴や現在の健康状態を、保険会社に正確に伝える義務があります。

意図的に隠したり虚偽の告知をすると、給付時に「告知義務違反」で保険金が支払われないことがあります。

●クーリングオフ|契約から8日以内なら撤回できる

契約後8日以内であれば、書面で申し出ることで契約を白紙撤回できます。勢いで契約してしまったときの救済措置として覚えておくと安心です。

まとめ

この記事のまとめ

  • 高額療養費制度により、医療費の自己負担には月額上限がある
  • 会社員は傷病手当金で給与の約2/3が最長1年6か月支給される
  • 独身者は高額な死亡保険が不要なケースが多い
  • 子育て世帯は遺族年金で不足する分だけ死亡保険で補う
  • 保障と貯蓄は分けて考え、NISAやiDeCoも活用する

保険の見直しでいちばん大切なのは、まず公的保険でカバーされる範囲を知ることです。

それを踏まえて、いまの保険に払いすぎている部分がないか、一度見直してみてください。

死亡保険の必要額をくわしく知りたい方は生命保険の見直し、火災保険や自動車保険を見直したい方は火災保険・自動車保険で損しないもあわせてご覧ください。

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